STORY OF LIFE
CATEGORY 01 — No.014
正しいデータをとり、現象の真の姿を捉えよ
教授 井元清哉
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健康医療インテリジェンス分野

いわゆる「座右の銘」と呼べるほど、決まった言葉は持ってないんですよ(笑)。あえて言うなら、「正しいデータをとり、現象の真の姿を捉えよ」でしょうか。医科研に来て25年、いろいろな研究に関わる中で年々意識するようになっていった考え方です。
私は九州大学理学部数学科の出身で、大学院では「統計的モデル評価基準」という、かなり理論寄りのテーマで学位を取りました。2001年に医科研のヒトゲノム解析センターにポスドクとして着任し、そこで初めて取り組んだのが、ヒトの遺伝子の働きを数値化したデータの解析です。それ以来、ゲノム解析が研究の中心になりました。一方で、医師の働き方の調査や感染症のシミュレーションなど、一見するとゲノムとは関係のなさそうな研究にも数多く携わってきました。
そんな中で何度も感じたのが、「ただデータを集めて、ただ解析すればいいわけではない」ということです。当時、バイオインフォマティクスの分野には、統計学をバックグラウンドに持つ人が本当に少なかったんです。だから、いろんな人が私のところにデータを持ってきて、「これ、何とかなりませんか」と相談するんです。そこで「このデータ、何のために取ったんですか」と聞くと、「いや、何となく」と返ってくることもある(笑)。目的があっても、問いを明らかにするためのデータになっていないこともありました。「それを知りたいなら、こういうデータを取るべきですよね」「だったら、こういう手法がいいですよね」。そんな議論を何度も重ねてきました。
どんなに優れた数学者や統計家でも、入り口となるデータが適切でなければ、現象の本当の姿にはたどり着けません。与えられたデータを高度な手法で解析するだけでは見えないものがある。何を知りたいのかを考え、そのために必要なデータを自分たちで取りにいく。私は、そこにデータサイエンスの本当の面白さがあると思っています。
ちなみに、私は料理をするのも好きなんですよ。いや、正確には皿洗いが好きと言っても良いかもです。後片付けには終わりがある(笑)。研究はそうはいきません。やればやるほど次の疑問が出てきて、なかなか終わりが見えない。でも、その先にまだ知らない「真の姿」があると思うと、もっと知りたくなる。大変だけど面白い ( •̀ᴗ•́ )و! だから結局、研究はやめられないんですよ。

Q. 数学者の頭の中はどうなってますか?のぞいてみたいです。
A.大きな白い紙に数式をわーっと書くような画をご覧になったことがあるかもしれませんが、あれです。昔は、とにかく数式を永遠に書いていました。そして仲間たちと議論する。デジタル社会になってそういう光景は減っているかもしれませんが、昔は床一面に数式を書き殴った大量の紙を広げて、それを一覧で見るんです。頭の中は数式が流れています。
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教授 井元 清哉
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ヒトゲノムやマルチオミックス、医療情報やヘルスケアのビッグデータ、腸内細菌叢など多様なデータを解析し、病気の予知・予防・治療や健康維持・向上に役立つ新たな方法の開発とその実践を目指しています。
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