STORY OF LIFE

理学系研究科生物科学専攻  佐藤 二千翔さん(博士3年)

FIG.01

ウイルスの遺伝子情報だけを入力に、変異株が「広がりやすいか」を予測するAIモデル「CoVFit」。 — Systems Virology Lab

DATE

2026/09/30

CATEGORY

FROM

Yamagata,Japan

Q:大学の学部・専攻は?

東北大学薬学部創薬科学科

Q:大学ではどうしてその学部・専攻を選びましたか?

薬がどのように体の中で効果を発揮するのか、その作用機序(メカニズム)について興味があったからです。

Q:大学の学部・専攻にはいつから興味関心がありましたか?

高校3年生で部活を引退した後の、進路をしっかり考える時期くらいからだったと思います。

Q:大学院ではどんな研究をしていますか?現在の目標は?

出芽酵母というモデル生物を使って、生命の基本となる遺伝子発現・翻訳の仕組みを研究しています。特に注目しているのは、細胞内にある「リボソーム」という小さな器官です。リボソームは、mRNAという遺伝子の設計図を読み取って、生命活動に欠かせないタンパク質を組み立てる、いわば細胞内の「タンパク質工場」のような役割を持っています。細胞を取り巻く環境が変わったり、細胞自身に負担がかかったりすると、リボソームには「ユビキチン」という特別な目印がつけられることがあります。この「目印つきのリボソーム」が、細胞内で作られるタンパク質の種類や量をどのようにコントロールしているのか、そしてその仕組みが生き物にとってどんなメリットをもたらしているのかを解き明かすことを目指して研究を行っています。

1年半前までは、「細胞が過酷な環境(ストレス)にさらされた時に、目印つきのリボソームを増やすことで、『ストレスを乗り越えるための特別なタンパク質』を優先的に作り出すメカニズム」を研究しており、その成果を論文として発表することができました。現在の目標は、博士課程の集大成に向けて今取り組んでいる別のテーマを論文としてまとめ上げて投稿し、残り半年を切った学生生活をキリよく終わらせることです。

第24回 東京大学生命科学シンポジウムでの口頭発表ー研究内容と自分の考えが伝わりやすいように発表スライドとポスターの流れを考え、原稿はスラスラ口に出てくるまで何度も練習をしました。またどんな観点からの質問でも答えられるように、想定質問集を作って準備を万全にして発表に臨みました。

Q:大学院の研究室で何をしている時がHappy?

新しい実験系を考えて構築している時がHappyです。研究以外だと、同期と世間話や雑談をしている時がHappyだと感じます。

Q:大学院の入学前後でギャップはありましたか?

特にギャップは感じませんでした。研究室が学部から一緒だった(東北大から東大へ研究室ごと移動してきた)こと、博士課程に所属している先輩が多かったこと、また研究室の方々(先生・スタッフ・学生)とよく会話をしていたことから、入学後の自分がしっかり想像できたためだと思います。

(医科研に限ったことではありませんが)新しい研究室に所属したいと考えているなら、入学前後のギャップをできるだけ小さくするために、希望する研究室に所属している方々としっかり会話して相互の理解を深めることをお勧めします。

Q:大学院での研究の合間に行っているルーティーンはありますか?

お昼ご飯を買うついでに散歩をすることです。実験器具の洗い物など研究以外のことをしているときはよくラジオ(福山雅治・令和ロマン・マユリカ・金魚番長の番組)を聴いています。

Q:学位取得後のキャリアは決めていますか?

製薬企業の研究職で働くことが決まっています。その後のこと(企業研究者として働くか、アカデミアに挑戦するか、海外で仕事をするか、いっそ研究から離れた生活をするか)は今のところあまり決めていませんが、自分の興味・状況と社会情勢を考慮して、ゆっくり決めようかなと考えています。

Q:未来の医科研大学院生へ一言!

研究生活はもちろんのこと、日常生活(息抜き・体調管理・人間関係)も大事にして過ごしてください!


Q:他の大学院生からの質問 (小野目愛子さんより)

研究とプライベートを両立するための工夫を教えてください。

先にプライベートの予定(友達との外出や旅行、日常の用事など)をスケジュールに入れ、残りの時間で研究に集中するようにしています。研究は基本的に楽しく面白いので、つい時間を忘れて没頭し過ぎてしまいがちです。そうなると生活リズムが乱れて体調に響いてしまうことがあります。加えて、一旦研究から離れて全く違うことをしているときに、新しい観点からのアイデアが湧いてくることもよくあります。そのため、意識的にプライベートの時間を確保し、オンとオフのバランスを保ってメリハリをつけることが、結果的に研究の質の向上にもつながっていると感じています。


Q

NEXT QUESTION ・ 次の学生さんへ

もし「研究以外のことをして1週間過ごしてください」と言われたら、何をしますか?

この質問は、次に登場する大学院生さんへお預けします。

arrow_forward

LABORATORY

RNA制御学分野

教授 稲田 利文

タンパク質がつくられる際のエラー(リボソームの衝突)を解消する機能(RQC)を発見しました。この機能が壊れることで起こる筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経変性疾患や、老化が進む仕組みの解明を目指しています。

研究室サイトをみる

arrow_forward

東京大学医科学研究所 Webマガジン
人と知をつなぎ、未来につながる医科研の“いま”をお届けします。