STORY OF LIFE
新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻 小野目 愛子さん(修士1年)

FIG.01
ウイルスの遺伝子情報だけを入力に、変異株が「広がりやすいか」を予測するAIモデル「CoVFit」。 — Systems Virology Lab
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Kanagawa, Japan
理学部生命理学科
もともと生物全般に興味があり、中でも生物を構成するものの細かな働きを深く学びたい、という気持ちがあったからです。
幼少期から動物が好きだったこともあり、昔から生物には関心がありました。小学生の頃は人体についての本を好んで読んでいましたが、より深く学びたいと明確に意識し始めたのは中学生の頃です。

血液のがんの一つである、骨髄系腫瘍のメカニズムについて研究しています。がんの発症には遺伝子の変異が関わっており、その多くは出生後に生じる体細胞変異です。一方、親から受け継いだ生殖細胞系列変異(胚細胞変異)によって、生まれつきがんの発症リスクが高くなる場合もあります。
骨髄系腫瘍の一部では、DDX41という遺伝子の生殖細胞系列変異が発症リスクに関わることが知られています。さらに、骨髄系腫瘍を発症した人では、生まれつきDDX41変異のなかった対側アレルにも、後からDDX41の体細胞変異が加わることが多くみられます。生殖細胞系列変異によって発症リスクが高まるがんは、比較的若い時期に発症することが多いですが、DDX41変異が原因の骨髄系腫瘍は、多くが高齢になってから発症するという特徴もあります。
DDX41はRNAの二次構造をほどくRNAヘリカーゼであり、細胞内の異常なDNAを感知して自然免疫応答を引き起こす働きも知られています。私は特にこの自然免疫応答に着目し、DDX41の変異によってこの応答がどのように変化し、骨髄系腫瘍の発症にどのように関わるのかを明らかにすることを目標にしています。
研究室のメンバーと何気ない会話をしている時です。私の所属する研究室には、海外からの留学生や、海外の大学からのインターン生など、さまざまなバックグラウンドを持つメンバーが在籍しています。博士課程の先輩に実験のアドバイスをいただいたり、母国での暮らしや文化について教えてもらったりする中で、物事に対する多様な視点に触れることができます。自身の視野が広がっていく実感があり、充実感を覚えています。
入学前は、周囲のレベルの高さに自分がついていけるか不安を感じていました。しかし実際に入学してみると、医科学の知識が浅い私のような人間でも見放されることなく、先生方や先輩方が親身になって指導してくださるとても温かい環境で、いい意味でギャップを感じました。
現在は、研究の背景を理解するために論文を読むのに時間がかかることも多く、座っている時間が長くなりがちです。運動不足や筋力低下を防ぐため、研究の合間には意識的に歩き回ったり、軽くストレッチをしたり、姿勢を正したりするようにしています。軽い気分転換にもなり、集中力の維持に役立っています。
現時点では就職を希望しています。大学院で培った知見を活かし、修了後も現在の研究分野に関連する領域で、社会に貢献できる仕事に携わりたいと考えています。
優れた設備と指導陣のもと、純粋に興味のある学問を追求できる環境は、本当に恵まれていると実感しています。ぜひ医科研大学院ならではの授業や周囲との繋がりを大切にしながら、研究を楽しんでください。その過程でさまざまな刺激を受け、ご自身の世界をさらに広げていっていただければと思います。
最初の3日間は生活リズムを整える意味も兼ねてアルバイトをし、続く4日間は旅行に出かけたいです。進学や就職に伴って全国各地へ拠点を移した友人たちを訪ね、一緒に美味しいものを食べて語り合い、心身ともにしっかりとリフレッシュして、休み明けからの研究の活力にしたいと思います。
Q
NEXT QUESTION ・ 次の学生さんへ
研究とプライベートを両立するための工夫を教えてください。
この質問は、次に登場する大学院生さんへお預けします。
LABORATORY
血液・腫瘍生物学分野
准教授 昆 彩奈
血液がんの未知の病態を解明する研究に取り組んでいます。患者さんの検体やマウスモデルを活用し、遺伝子やタンパク質などの全データ解析と最新の分子生物学的手法で得た基礎研究の成果を、臨床へ還元する橋渡し研究を目指します。
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