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新型コロナウイルスによく似たウイルス、タイで見つかる

-Press Release Summaryー 新型コロナウイルス(以下、SARS-CoV-2)によく似たウイルスがタイの野生コウモリから見つかりました。どんな特徴があるウイルスなのでしょうか。

DATE

2026/09/30

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LAB

システムウイルス学分野

FIG.01

ウイルスの遺伝子情報だけを入力に、変異株が「広がりやすいか」を予測するAIモデル「CoVFit」。 — Systems Virology Lab

タイの野生コウモリから発見

東南アジアに生息する野生のコウモリからSARS-CoV-2によく似たウイルスが複数見つかっていました。今回、システムウイルス学分野の佐藤佳教授が主宰する国際共同研究チーム「G2P-Asia」は、タイに生息する野生のキクガシラコウモリ(Rhinolophus acuminatus)から見つけた、SARS-CoV-2によく似たウイルスの1つ「RacCS20637」について詳しく調査。遺伝情報をもとにウイルスを人工的に作出し、特徴や既存ワクチンや抗ウイルス薬の効果を検証しました。

人の細胞に結合しても、増殖力は低い

RacCS20637は、SARS-CoV-2と同じく、人の細胞表面にある「ACE2」というタンパク質に結合できることがわかりました。ACE2に結合する力はSARS-CoV-2より強い一方、人の鼻や気道、肺の細胞で増える力は弱く、動物(ハムスター)に対する病原性も低いことがわかりました。また、新型コロナワクチンの接種によって作られた抗体がこのウイルスを抑え、レムデシビルなどの既存の治療薬も効果を示しました。

東南アジアで広く移動し、多様化している可能性

さらに、SARS-CoV-2関連ウイルスの遺伝情報と地理的な分布を解析したところ、これらのウイルスが東南アジアを広く移動し、遺伝子を組み換えながら多様化してきた可能性が示されました。

パンデミックになり得るウイルスを事前に見つけ、その感染力や病原性、既存の薬の効果を調べることは、将来の感染症流行に備えるうえで重要です。研究グループは国際連携の枠を広げ、次のパンデミックへの体制構築と基礎研究を進めています。

研究者からの一言

未知のウイルスを探してその特徴を調べることは、「次のパンデミック」に備えるための第一歩です。世界の感染症研究をアジアから、日本から牽引するために、「G2P-Asia」という新しい国際コンソーシアムを立ち上げました。

教授 佐藤 佳

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実験、バイオインフォマティクス、フィールドワークなどさまざまな研究手法を用いて、ウイルスの正体をまるごと解き明かす研究を行っています。新型コロナウイルスのほか、将来パンデミックを引き起こす可能性のあるウイルスの探索から性状解析まで、ウイルスにまつわるすべての研究に力を入れています。

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