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日本人大腸がんの主要な原因は "腸内細菌"だった

-Press Release Summaryー 日本人大腸がん患者さん200例を対象に調査した結果、約半数でコリバクチンによる特徴的な変異(傷跡)が見つかりました。

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2026/10/01

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ゲノム医科学分野

FIG.01

ウイルスの遺伝子情報だけを入力に、変異株が「広がりやすいか」を予測するAIモデル「CoVFit」。 — Systems Virology Lab

大腸がんのDNAに残された「傷跡」

大腸がんは、日本で急増しているがんの一つであり、罹患数第1位・死亡数第2位となっています。一部の大腸菌は、「コリバクチン」という毒素を作り、人のDNAを傷つけ、DNAには特徴的な“傷跡”(変異のパターン)が残ることがこれまでの研究でわかっていました。ゲノム医科学分野の柴田龍弘教授と大阪大学の谷内田真一教授らの研究グループは、この傷跡を手がかりに、コリバクチンと大腸がんの関係を調べました。

若年発症例では約70%で特徴的な“傷跡”確認

若年で発症した大腸がんほどコリバクチン関連変異シグネチャー(SBS88)の陽性率が高い。

東京と大阪の日本人大腸がん患者さん200例について、遺伝情報全体を調べる全ゲノム解析を行いました。その結果、約半数(44.8%)にコリバクチンによる特徴的な変異(傷跡)が見つかりました。さらに、40歳未満で発症した患者さんでは、その割合が約70%に上りました。また、がんの発生を促す重要な遺伝子にも同様の変異が確認され、コリバクチンが大腸がんの発症に直接関わることが示されました。

新たな予防方法の開発に期待

コリバクチンによる変異は、1965年以降に生まれた患者さんにおいて高頻度で見つかりました。日本で大腸がんが増えてきた背景には、食生活の変化だけでなく、腸内細菌も関わっている可能性があります。将来的には、胃がんに対するピロリ菌のように、コリバクチンの感染経路の制御や除菌による大腸がん予防、新たな早期発見法の開発につながることが期待されます。

研究者からの一言

日本人の大腸がんに腸内細菌が深く関わることが解明されましたが、なぜ日本人に多いのか、その謎の解明は今後の課題です。がんの全ゲノム研究を通じて、新たな予防の道筋を切り拓いていきたいと思います。

教授 柴田 龍弘

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